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二日後の日曜日、陽菜の下には母親の陽子が見舞いに来ていた。
陽子もまた陽菜の治療費のためパート勤めをしており毎日陽菜のもとに通う事はかなわなかったが、心の奥底では毎日陽菜のもとに見舞いに通いたいと思っていた。
「ママ今日は来てくれたんだね、ありがとう」
「何言っているの、あまり来てあげられない事の方が申し訳ないわ」
「そんなのいいのよ、あたしの治療費の為に毎日仕事で大変なんでしょ? その位分かっているから」
「ごめんね気を使わせちゃって」
申し訳なさそうに俯いてしまう陽子。
「何言っているのよそんなの気にしなくっていいって。だからそんな顔しないで、ママがこうやって忙しい中来てくれるだけでもうれしいんだから。それにあたし気なんて使ってるつもりないよ」
そう言う陽菜であったが明らかに親に対し気を使っている。
「ありがとう、ママ良い娘に恵まれて幸せね」
直後陽子はある事を思い出した。
「そうそう、頼まれていたこれ持ってきたわよ。この本で良いのよね」
そう言うと荷物の中から一冊の本を取り出した。
「そうよこれこれ、この小説読みたかったのよね」
「あなたほんとに本読むのが好きよね。翔の出ているラジオを聞いている以外はほとんど本ばかり読んでいるじゃない。たまにはテレビも見ても良いのよ、その時はテレビカード買ってくるから」
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