【第三章】『陽菜が触れた大きな心』

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「なんなのよ突然翔の話になって、もちろんよ、あんな大スターママでも知っているわ。その翔がなんなの?」 「その翔が今足を骨折してこの病院に入院していてね、なんとその翔が亨兄ちゃんだったの。ねぇびっくりでしょ」 「ほんとなのそれ、あの大スターの翔が亨君だったの? 確かにどことなく見覚えある顔していると思っていたのよねぇ。でもまじまじと顔を見たことなかったから気付かなかった」 「なんだママもそう思っていたんだ、あたしも初めて会ったときはビックリしちゃった。それでね、由佳に車いす押してもらって何度か亨兄ちゃんの病室に行ったんだ。すごいイケメンになっていたよ、そりゃそうよね、あんな大スターになるくらいだから。そうだ今日は由佳来られないみたいだからママが亨兄ちゃんの所に連れて行ってよ」 「そうね、成長した亨君に会うのも久し振りだしどんなイケメンになっているか見てあげようかな? テレビを通しての亨君しか見た事ないしね。ママも亨君に会うの楽しみだな?」  ところがその後、陽子の脳裏にある懸念が浮かんだ。 「だけど大丈夫? 亨君は今では翔として活躍して大スターじゃない、そんな亨君のもとに行って何か言われない?」 「大丈夫よ、ちゃんと千夏ちゃんには許可をもらったから」 「確かに矢嶋さんは優秀な看護師かもしれないけど、どんなに優秀な看護師だからって矢嶋さんにはそんな権限ないでょ」
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