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「知っての通り、国宝の宝石が怪盗STなる人物に盗まれたので私達に協力して犯人を見つけましょう…ということよ。」
「3人だけで?」
私もそう思う。
兵士なんて沢山いるんだから少しくらい寄越してくれてもいいのに、警備に必要だなんだって無理だったし。
何より騎士団が他人事なのが腹立つ。
「で、その怪盗STとやらに心当たりは?」
私の心中お察しすることもなく、アリアは淡々と疑問をぶつけてきた。
「犯人はまだ城内にいる。」
そう呟いたのはさっきからずっとだんまりだったエネリだった。
この子は恐らく犯人に気づいている。
だから私も実のところは犯人捜しに少しウキウキしている部分があった。
私の考えがあっていれば"あの娘"を助けるチャンスに繋がるー。
「どういうことです?」
「この子の言うとおりそう言うことよ。」
「だって怪盗STはいろんなところで犯行に及んでいるのでしょう? 外部犯の仕業なのでは?」
「でも城内にいるんだからしょうがないでしょ?」
「…オリビア、あなた何も分かってないのでは?」
図星だった。
エネリが言ったことに共感しただけで、私自身は何も考えていなかった。
そう思うとなんだか急に恥ずかしくなってきた。
「いいから玉座の間に行くわよ!」
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