第一章~宮廷魔導師と魔眼の子~

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マリアナイツ王城:玉座の間にて 先程まで騒がしかった玉座の間は静まりかえり、兵士が数人警備の為に配置されているだけだった。 「お疲れ様。」 「「「お疲れ様です!」」」 アリアは警備の兵士達に挨拶。 兵士達は嬉しそうに返す。 騎士団は美人揃いと言うこともあって兵士達から人気が高い。 まあ変人ばかりなので口説く気まではでないと思うが…。 「まずは証拠集めですか?」 アリアの質問は確実にエネリの方に向けられている。 私の存在意義が早くも失われようとしている。 エネリはというと、静かに何もない床を指差し呟いた。 「証拠はここにある。」 「はい?」 急なエネリの行動にアリアはおろか、警備の兵士達も怪訝な表情となる。 別に足跡があるわけでも何かが落ちているわけでもない床を指差し、証拠があると言われても全く意味がわからない。 しかし、私はこの子の行動を理解した。 「"マギーアイズ"。」 私の言葉と共に私の手から放たれた青い光がその場にいた人間達の顔へと吸い込まれていく。 "マギーアイズ"は 術者の周囲5メートル以内の人間の目に一時的に魔力を宿す魔法。 魔法を受けた人間は一定時間、普通では"見ることのできないもの"を見ることができる。 私は魔法を使うことができるー。 「これは!?」 「なんだこれ!」 その場にいた人間が一斉に驚きの声をあげる。 エネリが指差した場所にあったもの。 それは白く光る"足跡"だった。
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