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マリアナイツ城内:独房前にて
翌朝ー。
黒ずくめの女が投獄された独房の前に私とエネリ、第4騎士団のジェネシスとアリアが立っていた。
大臣方にも来ていただこうかと思ったが、なにぶん古きを大事にする方々ばかりなので話が進まなくなる可能性があるため、まずはこの4人で女の話を聞くことにした。
「よく眠れた?」
女に聞く。
女は不服そうな顔を浮かべ私達を睨み付けた。
「不覚だわ。こんなところで捕まるなんて。」
「アリアのキックはえげつないからね。」
「コホン」
バイシクルキックで女を沈めた張本人は咳払いをして話の続きを聞く。
「まさか魔眼を持つ者がいるとは…、誤算だったわ。」
「魔眼?」
聞きなれない単語を聞いたアリアがすかさず疑問をぶつける。
「古の時代に存在したとされる魔女の"目"のこと。人間では視認することのできないものを見ることができる。」
ジェネシスがアリアに説明する。
彼女は歴史学の分野にも精通しており、非常に博学。
それゆえ大臣や、なんなら国王にも物怖じせず意見する…から私は彼女が苦手。
「でもあなたのような人、今まで見たことありません。どこの種族ですか?」
「ふん!そんなことも知らずに私の顔を蹴り倒したわけね!私はね、誰しもが恐れるま…」
「"魔女"よ」
女が全てを言い終える前に私は答えを出した。
これにはさすがのジェネシスも眉をひそめる。
「魔女?歴史上の存在の筈ではないのか?」
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