第一章~宮廷魔導師と魔眼の子~

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当然大臣方の目は兵士へと向かうことになる。 席に座っていた兵士団長は大臣方から瞬く間に非難の嵐となった。 「まったくたるんでおる!国王の留守中に宝石を盗まれるとは…!!」 そう、大臣方が焦る理由が国王の留守。 国王は公国との会合で彼の文臣と一部の騎士と共に王国を留守にしている。 その留守を狙われ、怪盗にしてやられたのだから国王に合わせる顔も無いというものだ。 しかし、責めに責められる兵士団長が可哀想なので止めに入ろうとするとー。 「そろそろ兵士団長の晒しあげもいいでしょう? 責めるより捜すを優先すべきなのでは?」 そう声をあげたのはマリアナイツ第4王国騎士団団長のージェネシス・スターダストー。 目立つ綺麗な赤毛のセミロングヘアから覗く瞳が凛々しい女性。 見るからに真面目そうで皆からの憧れの的といえる出で立ち、だが…。 「本当なら私も忙しいんですけどねぇ。宝石盗まれて会議するからって席に着いたのに、開始早々兵士団長責めるだけで会議が進まないんですもの。 会議って上司が部下をいじめる現場なんですか? …違うでしょう? もっと先を考えないと。 あなた方ならできるんじゃないの? 私達より長く人生生きてるんですからできるでしょう? どうです?出来るよぉって方、挙手! あれ?いないの?困ったなぁ…。」 はい、性格に難有りですね。
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