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店の中に入り最初に目に飛び込んできたのは天井から釣り下がる、大小も形も様々な無数の角燈だった。
造付けの棚にはなんだかよく分からない見たこともないモノが所狭しと並んでいる。
棚は奥まで続き、果てがない。
合せ鏡の中に迷い込んだような、そんな錯覚を覚える。
何一つ変わっていなかった。
やっぱりあの時と同じ店だ。
やっと見つけた。
「おい、いるんだろ」
声が荒くなる。
俺はどうしても手に入れなければならないものがある。
「そんなに焦らなくても商品は逃げませんよ」
奥から声がして人影が現れた。
肩にかかる銀髪にグレーの瞳。
白い肌。
若くは見えるが稚さのない整った顔立ち。
ネイビーのローブのようなものを羽織って、左眼にはモノクルを嵌めている。
この店同様、ファンタジーの世界から抜け出してきたかのような。
「いらっしゃいませ。何をお求めですか?」
店主らしき人物は微笑む。
昴はその人に詰め寄った。
「巫山戯るな、俺を覚えているだろう。
お前のせいで妹は!」
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