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そんな様子で何年か過ぎたある日高校である噂を聞いた。
何でも手に入る奇妙な店があると。例えそれがどんな有り得ない代物であろうと。
俺はその店を探し見つけ出し、店主に過去を変えるモノが欲しいと言った。
あの時俺がボールを落とさなければ。
あの時公園に行かなければ。
もっと早く帰っていれば。
何度悔やんだことか。
店主は小さな小瓶を取り出し、これを飲めば望む過去に戻れると言った。
但し代償が必要になるとも。
俺は構わないと言った。
気が付けば俺は小学生になって公園にいた。
ジャングルジムの上で手を降っているのは懐かしい妹の姿だった。
妹が死んだあの日に戻ってきたのだ。
事故が起こったのは日が沈み始めた頃だった。
妹がなかなか帰りたがらなくて遅くまで遊んでいたのだ。
今はまだ日が高い。
まだ間に合う。
ぐずる妹を宥めすかしてなんとか家路に着いた。
事故が起こった時間になっても何事もなかったが、
それでもまだ日が完全に暮れて朝が来るまで何か起こりはしないかと気を揉んだ。
朝起きてキッチンに行くと、妹はにこにこして朝食を食べている。
それを見てやっと俺は妹を救えたことを実感した。
それからは平穏な日常が続いた。
筈だった。
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