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何かに気付いた時、事態は急変する
神野の前に立つ女性2人は高らかに笑っていた
「もっと早く声掛けてくれれば良かったのにぃ~っ……」
「緊張して終わり頃にやっとって……美琴は昔と変わんないねぇ~……」
神野は持っていた紙袋から女性2人に手作りカップケーキを取り出した
「あの時は……いつも話し掛けてくれてありがとう………これ、お礼です……」
プレゼントを受け取った2人、神野を含めた3人は和気あいあいと談笑している
その中へ俺は溶け込む様に侵入した
確かめる事が出来たからだ
女性2人が気づく
「あっ……石塚……」
「ねぇ、俺の分は無いの?……」
「エェッ?!!……ごっ!!ごめんなさいっ!!……2つしか用意してなくて……」
「謝んなくていいってば美琴~っ……ほら、石塚っ……離れろ離れろっ……また美琴が緊張しちゃうでしょうがっ……」
邪険に扱われる事など百も承知、俺の目当てはこのカップケーキただ一つ
作戦1……予測……
「やっぱ2つしかないのかぁ~……なぁなぁ……俺にも1口分けてくんない?……」
「ダメ~……これは私達が美琴から貰ったのっ……」
「いわば戦利品というやつですなっ!!……」
作戦2……ニーズの把握……
「じゃあどうしたらいい?……何したら1口くれる?……」
「えー、そうだなぁ~……」
「じゃあ次の2次会代出してよっ!!3人分ねっ!!……むさくるしい2次会に3本のバラが咲くのよ?……」
作戦3……提案……
「3人かぁ~……あっ、でも……2次会の会場BAR貸し切るそうだから、そこで3人に良いもの奢ったげる……ならどう?……」
「良いものって?……」
「それは来てからのお楽しみ~……」
「引くわ~……」
「引くなっ!!……」
すると神野がそっと呟く
「いっ、いいですよ……食べたいって言ってくれるの……私も嬉しいですしっ………2人にはまた作ります……」
作戦4……了承貰えたらすぐ契約……
「じゃあ頂きま~す……」
これぞ営業交渉3つの極意……なのか?………まぁいいや……
ひょいとカップケーキを奪い取ると包み紙を丁寧に開ける
途中邪魔が入るものの、上手くいなしながら目的の物を手に入れた
少し緊張した面持ちで1口頬張る
口に入れた瞬間分かった
上手いっ!!………じゃなくて……やっぱり……
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