第1章 スタープレイヤー 3

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 そして上下左右に激しく揺れるタイタンの背の上で俺は一本の大剣を高く掲げ、すると遠くから一条の赤い光が飛来し、その光は俺の大剣に当たると更に強い光を発して剣全体を飲み込む。  剣は眩い程の赤い輝きを放っていた。俺はその状態の剣を強く握り、タイタンの数少ない弱点である首筋を深く斬り裂く!  ――フラッシュ! 遠距離にいる者の近接武器を一瞬だけ超強化する魔法である。難点は二つ。照準が難しいため、成功するかどうかはフラッシュを使う者の技量に大きく左右されることと、呪文を唱えるのに時間が掛かってしまうことだ。つまりあのウィッチの女は相当のやり手ってことだ。いや、まぁ、俺の実力あってこそあの女の見せ所を引き出せたワケだけど。  とにかく俺は緑の背から飛び退き、敵から距離を取ると、タイタンは首から大量の血を撒き散らしながらやがて土埃を巻き上げながら倒れ込み、地面の上で何度か痙攣するような感じはしたが、それも最初だけで段々と動かなくなっていった。
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