第1章 スタープレイヤー 2

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 映画を見終わり、そこからまた一時間以上掛けて滞在している自宅の一つまで戻り、一息つく。  映画の出来は悪くなかった。ただスタープレイヤーとしては、映画の中での重力の表現がいい加減になっているのがどうにも気になってしまったため、あまり入り込めなかった。  ともあれ帰宅後、軽く食事を取るともうあまり時間は残っていなかったが、一応ケンタウルスの中に顔を出そうとポッド型ナチュラルコントロールシステムのある部屋へ向かう。  秘書はこうなることを予想していたのか、彼女の手によって既に準備は済んでいたため、俺はポッドの中へ入りスイッチを起動。ケンタウルスオンラインの中へと入っていく。      「ああああっ!? マルス!?」  「えっ、マジ?」  「おおお! 軍神!」  入るなりいきなり数人に詰め寄られる。なにやら緊急事態のようだ。  「どうした?」  「敵の襲撃だ! このままじゃ集落ごとやられる!」  「敵? リザードマンか?」  「そうだ! 数は三十匹くらい!」  「こっちは何人?」  「・・・・・・マルスを合わせて六人だ。つい今しがたの最初の奇襲でクリスタルが倒れ、ポータルが開けない状態だ。味方の増援は見込めない」  「倒れただけ? 壊れてはないんだな?」  「ああ、だが元に戻して再起動するには時間が掛かる。・・・・・・すまない」  この場所を任されていた人物なのだろうか、報告をしてきた彼はまるで恐縮していた。  これがもし現実世界での出来事であれば、このようなミスは怒鳴りつけて一度スカッとしてから取り組んでも良いのかもしれないが、俺みたいなスタープレイヤーはケンタウルスの中でこそ振る舞いに気を付けなければならない。度を失ったような態度を取ってはならないし、ついでに言うならFu/kもSh/tも厳禁だ。
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