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「君が謝る必要は無い。もし手抜かりがあったとすれば、それは俺かスタンリーのどちらかだ。それより、なんとかしてこの集落を守ろう。折角クリスタルを設置したばかりなんだし、それを失った上こんな辺鄙な場所で倒れたら大変だ」
どう大変なのかはゲームシステムの話になるので割愛するとして、だが相手が三十というのは多く、普通に戦えば負ける。
「――仕方ない、アレを使う」
「・・・・・・えっ? アレを? それは・・・・・・」
「いやでも、アレを使ったらマルスさんに負担が・・・・・・!」
「大丈夫、君達が思うほど心配するようなことにはならない。安心しろ」
「マルスさん・・・・・・!」
そう、痛いのはお財布である。別に身体に何か負荷が掛かるとかって訳じゃない。当たり前だが、ケンタウルスオンラインの運営はそんなの容認しない。
大きな出費だが、こんなところで無様に負ける訳にはいかないし、敗走して仲間を見捨てるなんてもっと最悪だ。その場合スポンサーがいくつか離れる。
「じゃあ二人は集落に設置してるクリスタルを防衛、残り三人は俺に付いてきて援護して」
『了解っ』
彼らの名前を具体的に呼ばなかったのは、ここに居るプレイヤーの殆どが鬱陶しく訳の分からない長さの名前だったからだ。
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