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続かれる
俺は巨大組織が支配するその建物へと足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ」
コンビニエンスストアの店員は俺を威嚇するように口を開く。
しかしその目線は俺には向いていない。
俺は店員の視線を追った。
その視線の先には防犯カメラが鎮座していた。
こう都合だ。
俺はそんな店員の注意を引かぬように、足音を立てぬように、店内を移動する。
ここで店員に気付かれ、戦いにでもなったら、余計な体力を使ってしまう。
別に怖がっている訳ではない。
俺は喧嘩は強い方だ。
ギリ3歳児なら素手で倒せるだろう。
しかし店員はどう見ても、二十歳を越えている。
武器となる物を持っていない今、無駄な戦いは避けるべきだ。
しかし俺は頭の中で、戦いになった時に備え、シミュレーションを始めた。
お前の母ちゃんでべそ
よし、この言葉を発すれば、どんな強敵でも喧嘩に勝てるだろう。
シミュレーションを続ける中、俺は目的の場所へと辿り着いた。
そしてその場所に神々しく鎮座するうまい棒を手に取ると、いざ決戦となるべくステージへと軽やかに移動した。
続く
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