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2016,10,9
朝目覚めると、そこは小さな箱のような部屋だった。
おかしい…俺が予約したのはビジネスホテルのダブルの筈
俺は知らぬ間に日本を揺るがしかねない、巨悪な事件に巻き込まれたのか?
確かに昨夜はしこたま酒を飲んだ。
記憶を無くしている間に、拉致監禁されたのか?
名探偵でもある俺の脳が一気に覚醒した。
そして謎は直ぐにとけた。
さすが自他共に認める名探偵である。
俺の推理はこうだ。
俺は昨日の十五時、予約したビジネスホテルへと向かった。
このホテルは五日前に苦労して予約したものだ。
電話を握り締め、掛けるホテル掛けるホテル満室のオンパレード。
まるで一昔前のクリスマスイブのラブホテル状態。
しかし俺は、とうとう空き部屋を発見したのだ。
しかし相手は俺よりも一枚も二枚も上手だった。
通常料金の六倍近くになりますがよろしいですか?
よろしくない
断固よろしくされたくない
俺は嫌がる児童のように、ブンブンと固めた右手を振ると、電話を切った。
そして再度電話を掛け続けた。
結論を言おう
空き部屋は確かにあった
しかし料金が高すぎる
安い所でも値上がり料金で一万五千円を越えている
俺が知らぬ間にインフレが始まったのか?
もしやうまい棒が百円になる世界がとうとう来てしまったのか?
俺は着るものも厭わず、裸足でこのコンクリートジャングルと化した大都会へ飛び出した。
そして俺が辿り着いたのは、巨大組織が支配する某コンビニエンスストア
さすがに巨大組織が支配するだけあって、店の佇まいを見るだけで、震え上がるものがある
しかし俺は幾多の修羅場を越えてきた男
人は俺を眠れる獅子と呼んでいる
その獅子が目覚めた
続く
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