prologue 10 p.m.

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突然、目の前に、ハンバーガーの包みが、 ぬっと、差し出された。 見上げた先には、厳ついスキンヘッドの男。 が、笑顔を浮かべている。 「ノー、センきゅう・・・」 ――怖い。 薄く笑みを返し、膝の上のリュックをぎゅっと抱え直し顔を伏せる。 『少し、食べた方がいい。疲れてるみたいだ。』 外見とは似つかない少し高めの、優しい声色で、 ゆっくり 簡単な英語で、話しかけられた。 ――あ、このヒト、たぶん、悪い人じゃない。 ゆっくり顔を上げ、きちんと目を合わせ 小さく頭を左右に振って、微笑みを作り答える。 「アイム、おうけい。センキュウ。」 ハハ、おもいっきり日本語英語だよ・・・通じたかな?
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