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俺の生きるは食べるに等しい。
俺が食べることを辞めたいと思うまで、俺は生きる。
食べることに飽きるのは、俺が死ぬも同義だ。
炊き上げのふっくらとしたご飯。
単純かつ複雑な食べものはそれ以外にないと言ってもいい。
ただ、まぁ世界各国、自国で主食として親しんできたものに対してそう思うだろうことは想像に難くない。
事実、パンやナン、麺を作るのにもコツはいるし、それぞれを作る名人もいるだろう。
俺の考える極上の食物。
それは、ねこまんまである。
作者はねこまんまなど食べたことがないらしい。
だが俺はねこまんまが好きだ。
誰がなんと言おうとねこまんまだ。
ねこまんまなのだ。
雑な食べものではない。
醤油とご飯とかつお節。
シンプルだからこそ、分量を間違うと一気に不味くなってしまう、作り手の性格がモロ見えする一品だ。
江戸時代それ以前から細々としたことをしてきた日本人だからこそ生み出したといえよう。
ねこまんまこそ、メイドインジャパンなのだ!
頷いてもらえているだろうか?
なんだそれ、と思う人には教えて差し上げよう。
まず、ご飯。
ねこまんまの基盤だ。ゲームでいえばカセットに当たる。
次に、かつお節。
ねこまんまを飾る主人公。ソロプレイヤーである。
最後に、醤油!
これを決して侮ってはならない。
なぜなら。
この醤油で全てが決まるからだ。
醤油をかけるときは絶対に気を抜いてはならない。
慎重に、自分のなかで培ったベストな分量きっちりかけなくては、ねこまんまという芸術が完成しない。
醤油をかけるタイミングも重要だ。
熱いご飯にかつお節を振りかける。
ご飯の上でフラを繰り広げるかつお節たち。
そのフラが終わってしまう前に!
クライマックスソイソース!!
ひとたびタイミングを逃せば、もう2度とその瞬間は訪れない。
また1からやり直すほかはない。
そして全てが上手くいくとフィニッシュ!
今まで全てのバランスを司ってきたGMであり作り手の俺は
ねこまんま管理者権限により、3者が織り成すアンサンブルをその舌で歯で口内で、味わうことができる。
これこそが、俺の求むる
極上で至高、最高のねこまんまだ!
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