奇妙な店で

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「あ、そうだ」 三上がポケットからスマホを取り出す。 「あー、それか」 最近の店は大体SNSをやっていて、公式が無かったとしても口コミの一つくらいあるはずだ。 「あった」 三上が僕に向けた画面には目の前にある奇妙な店に関しての様々なコメントが書かれていた。 どれだけスクロールしても魔界への扉がある、とかただの会員制のバーとか、どれも推測のコメントばかりだった。 その中に1つ気になるものがあった。 "2度と抜け出せなくなる" 「どういう意味だろ?」 「キャバクラとかなんじゃない?」 「あー、なるほどねー」 店を見ていると中からは女の人が出てきた。すらっとした体に黒髪。年はまだ若そうだった。 「貴方達、さっきから何してるの。人の店の前で」 「いや、気になったもので」 三上は女の人にバレないように、スマホを後ろに隠した。 「残念ながら、私の店、紹介制なの。ごめんなさいね。」 女の人は微笑みながら言った。 「いえ…」 美しい女性だった。見惚れてしまいそうだった。 「アリス、何をしているんだ」 中から、中年のおじさんが出てきた。かなり酔っているみたいだ。 「ごめんなさいね。この子達が店の前にいたものだから」 「あぁ、そうか。君たちも一緒にどうかね?」
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