奇妙な店で

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店の中は、アンティーク調でとてもオシャレだった。想像していた、キャバ嬢なんていなくて、アリスさん1人。 客はさっきのおじさんを含め2人。カウンターに1人。壁際4人がけに1人。 「なぁ、あれ、俳優の夏木和彦じゃないか」 「あぁ、朝ドラでてたよな」 大御所と呼ばれる俳優で、とても硬派な人らしい。 「いきつけなのかな」 「かもな」 4人がけの席に座り、メニューを広げる。 「読めない」 メニューは今まで見たことがない文字で書かれていた。まるで、暗号のようだ。 「これ、何語?」 「さぁ?」 僕達が悩んでいると、アリスさんがおしぼりとオレンジジュースを持ってきてくれた。 「阿熊さんからよ」 カウンターからこちらを見ていた阿熊さんに会釈をした。 「案外、普通の店だな」 「何も怪しくなかった」 なんか、安心した気がした。
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