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夜遅くなって、俺は帰宅した。
「ただいまー。あー腹減ったぁ、飯、飯。」
俺がそう言いながらダイニングに行くと、ソファに座ってくつろいでいたオカンがまた
不思議そうな顔をして、俺に言ったのだ。
「はぁ?あんた1時間前に帰ってきて、ご飯食べたやん。」
まただ。朝は寝ぼけていたかもしれないけど、今俺は確かに玄関から入って今帰ったところだ。
「今帰ったのに、食べてるわけないやん!」
俺は叫んだ。オカンがびっくりして、逆ギレした。
「あんたが、帰ってからどこか出かけたんでしょ?1時間前に確かに帰ってご飯食べたんだってば!流しを見なさいよ!まったく。あんた、今朝からおかしいよ?」
俺は、流しを見た。確かに、俺の茶碗とお皿が行儀良く流しに置かれている。
そもそも、俺が飯を食って、お茶碗や皿を流しに持って行ったことなんてない。
違和感を感じていたのは、もう一つ。俺がオカンに対して、ご馳走さまと言ったということだ。俺は、今までそんなこと言ったこともないし、食ったら食いっぱなしとよくオカンに注意されて、それでも悪癖は直らなかったのだ。
俺は、ある考えに至って、急いで自分の部屋に駆け上がった。
俺が居ないはずの俺の部屋に電気が点いている。
俺は勢い良くドアを開けた。
「誰だ!お前は!俺の飯を食うんじゃねえ!」
すると、俺の部屋の白い壁に、俺が半分埋まっていてにやりと笑って言った。
「バレた?」
俺はその場で失禁した。
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