プロローグ

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 おれは自分がモブキャラだというのは自覚している。勉強できないし、運動もできないし、帰宅部だし、夢がなければ趣味もない。最近、オタクがヒーローになるというリアルではありえないマンガや小説が少なくないが、おれはそのオタクですらない。普通の家庭だし、いじめられてるわけでもないから、悲劇のヒーローにもなれない。  コミュ障だからもちろん友達はいない。恋人? はなからあきらめている(笑) 二次元? 興味ないこともないが、金がないからそっちにもいけない。  人は誰でも自分の人生の主人公だというが、モブの人生なんてヒーローやヒロインの人生との格差を思い知るためだけの人生だ。  これはそんなどうしようもないモブキャラ高校生のおれに降ってきたみっともない恋の話だ。
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