第四章

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 「あ、強志君、あたしたちのことを女王様としもべって触れ回ってたことについては、あたしから深雪ちゃんにきつく注意しておいたから、強志君からは言わないであげて」  「分かった」  「ご、ごめんなさい」  今にも泣き出しそうな顔で、深雪がおれに頭を下げた。よほど厳しく優に怒られたらしい。これで少しは兄に対してリスペクトする気持ちを持ってくれたらいいのだけど。  そのまま四人で帰宅することになった。優に怒られて落ち込んでる深雪。いろいろなことがよく分からなくなってきて混乱してるおれ。彩湖を守ること、そしておれとの恋愛について、決意をさらに強くした優。優に友達になってもらったのに、一方でおれに片想いする彩湖。四者四様の帰り道。冗談を言い合ったりしながら、実は心はバラバラで。人は人の心が読めなくて本当によかったと思った。  ぎくしゃくした会話の中でも、おれは気楽だった。明日は終業式。あさってから長い夏休み。とりあえず、おれと彩湖が顔を合わせることは当分ないから。
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