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突然、彩湖がハッとしたように怒り出した。
「先輩、いいかげんあたしを止めてくださいよ。あたしが学校に残れるかどうかの瀬戸際なんですよ!」
「…………」
なぜおれが悪者にされるのかまったく分からないが、とりあえず勉強やる気はあるようでほっとした。
それから一時間くらい、彩湖はさっきまでが嘘みたいに勉強に集中した。
「先輩、お昼にしましょう」
「そうだな。腹が減ってはいくさはできぬって言うしな」
「屋上でいっしょに食べたいんですけどいいですか」
白かったはずの彩湖の顔が照れて真っ赤になっている。勉強頑張ってるし、それくらいならいいか。
「先輩が川島田先輩と屋上で食べてるの見ていいなって思って……」
「いいよ。でも、開いてるかな?」
「さっき職員室から屋上の鍵を借りて来たから大丈夫です」
彩湖は目の前で鍵をちゃらちゃら振ってみせた。借りてきたって無断でだろ? そう思ったが、口にはしなかった。
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