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「アリアちゃんどうしたの?今日はなんかいつもより顔色悪いよ?」
「…そんなことないよ。わたしは元気だよ」
「そうかな?やっぱりなんか暗いよ?」
「わたしは大丈夫だって。……でも、気を使ってくれてんだよね、ありがとう」
「えへへ、当然だよ♪私はアリアちゃんの親友なんだからねっ!」
桜が舞い散る歩道を行く私達。新たな始まりを告げるその桜は、とても綺麗だった。
私達は軽い雑談を交わしながら今日入学する高校へと進む。道中、少し寄り道したり買い食いしたりしたけど、それもまあ良いだろう。
まったく……、舞耶はよく食べるなあ……
すると、横からむしゃむしゃ何かを食べる音が聞こえてきた。
「──アリアちゃーん!これおいしいねっ!!」
少し目を離している隙にまた何か買ってきたようだ。舞耶が食べていたのはクレープだった。イチゴが盛り付けられていて、イチゴクリームにイチゴジャムが……イチゴばっかじゃん。
「…何度も言ってるけど、そんなにたくさん食べると太っちゃうよ?」
「もぐもぐ大丈夫だってー!私はいくら食べても太らないからねーもぐもぐ!」
舞耶にそういうと、きまってこう返してくる。まあ本人がああ言っているのだし、気にすることはないんだけど……あれだけ食べてるとこを見てるとさすがに心配になる。
……美味しそうに食べる舞耶を見ていると、私も食べたくなってきた。
「……じゃあ、わたしも食べようかな───はむ」
そう言って私は、舞耶が手に持っていたイチゴクレープに小ぶりな口でかぶりついた。
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