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「…、………」
目を開けると、見慣れた自分の部屋が広がっていた。目を閉じても、寸分違わぬ光景が見える。
「……………………」
現在の時刻は午前六時。窓の外を見てみると、眩しい日の光が顔を覗かせている。空で見た光よりもずっと、輝いている気がした。射し込む日の光が部屋を明るく写し出す。
「…。支度、しないと」
私は机に置いてあった櫛を手にとり、その白く長い髪をとかしはじめた。腰ほどまで伸びている髪をとかすのは一苦労だが、日の光を浴びて輝く自分の髪を見ると、髪を切る気にはなれない。
「…ふぅ」
私は軽く息を吐き、ベッドから立ち上がる。
次は、高校の制服に着替えないといけない。まずは、………。
「あれ?」
私は違和感を覚えた。何故か、既に制服を着ていたのである。そんなはずはない、寝るときには必ずお気に入りのパジャマに着替えてから寝るのだから。
「…手間が、省けたってことで、いいのかな」
少し考え、すぐに結論を出した。そんなことより、世界の終わりを防ぐことを考えないといけないのだ。
少し暗い表情をしながら、姿見の前に立つ。
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