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僕は彼女が嫌いだった。
僕は彼女が嫌いだった。
何で僕に関わってくるんだって。不気味で嫌だった。
それが君が死んですぐ、僕は君に抱いた感想だった。
君が僕のことを気にしていた理由は、先生に言われたからだった。
先生は君に僕のことを気にかけてやれと言ったんだってね。君はそのことばのとおりにしただけだ。君はただ役割を全うしただけだ。
僕は君が死んで、君が死んだ後の世界を見た。
君が死んでも、世界は変わらなかった。
僕のことを気にかける人間が副委員長の男子生徒に変わっただけで。君がやったことを誰も知らず知らずのうちにかきけしていくんだ。
僕は君が嫌いだ。誰かに言われたことをやりとおす君が、ばか正直な君が、憎くて堪らなかった。
だから、君が死んですぐ、僕は君が死んで良かったです。ってわけ。
にならない自分に腹をたてた。
君が嫌いの僕は、とっくに居なくなっていたのに僕は、嘘をついた。ついたって意味のない嘘は僕の心を縛り付けた。こんなことなら嘘をつかなければ良かったとか。
でも、どうせすぐ死ぬ人間にそんなこといっても無駄だって割りきれない自分が悔しかった。僕の心をそんな面倒な色の染めた君が憎くて、ただ嫌いになる。
嫌いが嫌いをよんで、その中に愛しさがあることを、君が、教えたせいで、僕はたくさん傷が付いた。
君なんか死ななければ良かったのに。
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