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新幹線で相席になった女の香水は、ひどく甘ったるく。僕の横隔膜が震えるくらいだった。
これで後2時間もこの地獄に居続けなければならないと思うと血の気が引いた。
大学進学で地元を離れた僕は、地方の田舎で独り暮らしを始めた。しばらく実家に帰っていないので、連休を利用して帰ろうと思った。が、今物凄く後悔している。本当に臭い、ヤバい。
腸の上部が定期的に振動し、ああもうこれはダメだと諦めかけたとき。女性は立ち上がった。
やっと解放された。と、思ったら次はスマホの通知が来た。誰からか。高校時代の知り合いだった 。
内容は同窓会、興味がない。既読無視でもしようかと思った時、追加でこんな文面が送られてきた。
『相澤のことも』
その文字を読みあげた瞬間、僕は、本気で腹が立って、スマホを床に叩きつけた。
回りの客が驚く。僕は、それを拾って何事もなかったかのように振る舞った。
大丈夫、僕は、まだ彼女のことが大嫌いだ。
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