黒き勧誘

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黒き勧誘

「なんだ…これ…」 拓人は驚くしかなかった。無理もないだろう。彼宛ての物が来るなんてそうそう無いことだ。 ビリビリ…不慣れな手つきで封筒を開ける。封筒の中には一枚の紙が入っていた。 「一瀬 拓人様 我々はぜひ一瀬様にTPGをご体験していただきたくこのような手紙をお送りしました。興味がございましたらぜひ下記の会場にお足をお運びください。なお、参加される際は周りの方々にお話しなさらないこと、そして所持品を出来るだけ減らして参加ください。 日時:8月13日(日) 10時 会場:東京都 台場公園 それでは、ご参加のほどを心よりお待ちしております。 TPG制作グループ一同」 「適当すぎるだろ、これがプレイヤーに送る手紙か?ふざけすぎだろ、迷惑メールの類ならもっとまともな文面で送れよ。」 疑うしか出来なかった。というよりは、疑いたかった。とにかく、嘘でも何でもいいからと。こんな話、本当なはずがない…俺みたいなゲーム好きが行って良いようなものじゃない。 そう思っていた…でも行きたい…単なるゲーム好きだからこそそう思う。不自然な事じゃない。 「俺は一プレイヤーとして、TPGをプレイする。」 拓人はそう決めた。
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