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左奥にもさっきの女性と似たような人がいた。
「あのう、すみません。ユーザー登録ってここで合ってるんでしょうか?」
「はい、ここでございます。それではユーザー登録を始めましょうか。まずは向こう側、要するに転送先でのお名前を決めてください」
(うーん、どうしようかなぁ。プレイヤー名ってことだろうなぁ。こういうのって結構悩むんだよなぁ。)
「…拓人、カタカナのタクトでお願いします」
「了解いたしました。以上でユーザー登録は完了いたしました。お次は中央ステージまでお進みください。」
(こんなんで終わりかよ。やっぱ適当だな。)
言われた通りに中央ステージまで進んだ。
(やっぱ人が多いなぁ。でも思ってたより少ないかも。)
すでに中央ステージにいたのは10人程度。後ろにはユーザー登録中の人もいれば、登録を終えてこっちに向かってくる人もいる。
(中央ステージで何をやんのかなぁ?)
などと疑問が浮かぶ。しかし後ろにはまだまだユーザー登録を待つ人がいる。
(これは結構待たされそうだなぁ。暇つぶしに何か持ってくれば良かったかなぁ?)
-二時間後-
「はぁ、流石にもう始まってくれよ…もう限界だ…」
椅子もなくずっと立ちっぱなしの二時間。そうそう外にでない拓人にとってまさに生き地獄だ。足の痛みやら腰の痛みやら、周りの声の五月蝿さでストレスも溜まってくる。色んな意味で拓人は限界を迎えようとしていた。そんな時、会場中にアナウンスが鳴り響いた。
「ただいま全ユーザーの登録が完了しました。それではTPGのオープニングセレモニーを挙行いたします。それでは、TPGの総監督者 天能 学(てんのう まなぶ)より挨拶をいたします。」
「んな、ことよりさっさとゲームをよこせぇ!!」
「何時間待たされてると思ってんだぁ!!さっさとしろやぁ!!」
などと声が上がった。しかし、天能 学はそんなことを気にすることもなくしゃべり続けた。
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