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「今回は、我々の作ったTPGをプレイしていただけるということで、とても感動しております。まず、皆さまには今まで情報を公開しなかったことに関し謝罪をしなければなりません。本当に申し訳ございませんでした。それに加えまして、今からTPGの内容をご説明します。皆様もご存じの通りゲームにTPSを組み込んだ新感覚ゲーム…それこそがTPGです。もしかしたら、多くの方が家庭用ゲームを想像したかもしれませんが…そんなものではございません。皆さまから見て右手に見える扉の奥に転送装置がございます。それを利用し、皆様を電子の世界へと送ります。それ以降は皆様の自由です。これ以上私の口から言ってしまうと、ゲームがつまらなくなってしまいますね。私の説明はここまでにして、皆様には早速プレイしていただきましょう!以上で私の話を終わります。それでは、右側へとお進みください」
(なんとなく話はつかんだ。とにもかくにもやってみなきゃわかんねぇ。す、進むか…。)
右側に見える扉…
「あの奥に…ゲームの世界が広がってんだな…。」
大勢のプレイヤーたちが扉に向かっていく。もう何人かのプレイヤーは扉を開け、先に進んで行った。押しつぶされそうになる拓人もなんとか扉の前につくことが出来た。
変な汗が出る。胸の鼓動が高まる。少しの恐怖心を抱きつつも扉の取っ手へと手を伸ばす。
ガチャッ。
何気ないごく普通の扉の音。先は単なる白色をした部屋のような所のようだ。やっぱり恐怖心は消えない。だけどそれに勝る好奇心が拓人を包んだ。
足を進めた。進める以外の選択肢はない。拓人はそう思っていた。考える前には足が動いていた。
白の部屋には何もない。
「ここは一体…」
考える暇もなかった。
ヒュッ!!というような風を切るような音がした。そのころには白い部屋なんて存在していなかった。
TPGプレイヤータクトの目の前には、「セントラル・タウン」とウィンドウが開かれていた。
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