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あ、やっちまったぁ。ついつい、心の声がぁ。あーあー、どうしよう…こういう時って毎回この人は、涙目になった顔でなんか訴えてくるんだよなぁ、めんどくせぇ。
「何か問題があるの?」
え…。ウソでしょ、これが本当に俺の母親か?こんな風に返事したことなかったのに、なんか強気だなぁ。何があったんだろうか。
「特に問題があるわけではないけど…まさかこのままの装備でフィールドに出るわけじゃないよね?てか、今の状態は装備じゃねーし。私服だし。」
「もちろん装備は整えるわよ。」
「金は?」
「初期設定金額で何とかなるでしょ。」
メニュー画面を出してみた。
んーと。今の所持金額は…1000リグ。リグっつーのか、ここの通貨は。
うーん、たいていゲームには初期装備できるようなアイテムが用意されてるはずなんだがなぁー。探すか。
カタカタとメニュー画面を操作する俺を見て、母は、
「ねぇ、何してんの?さっさと行きましょうよ。」
うっせーな、こちとら探してんだよ!ショッピング気分なんですかぁ?とまぁ、イライラした。
……あ、やっぱりあったか。
『布の服』うん、こういうやつだ。『布の服』を装備してみる。
周りのプレイヤーと同じような恰好になった。
母もそれを察したのか、メニュー画面をいじりだす。そんなに時間がかかることもなく、『布の服』を装備した。ドヤ顔をしながら母は、
「さ、これでいいでしょ?行きましょ?」
やっぱ、バカだこの人…
「ねぇ、何でモンスターと戦う気なの?素手?」
「そのつもりだけど?」
「はぁぁぁぁ!?なんなの!?やっぱ死にたいんでしょ?」
すると母は、メニュー画面を開きいじりだした。そしてスキル画面を見せつけてきた。
!?なんでこんなに使いこなせてんだよ!!
そこには、格闘スキルがあった。
「何か、文句ある?」
「ナックルとかがこの世界にあるなら、それが使えるかと…」
あぶねぇ、言い負けるところだった。
「とにかく、武器屋に行かなきゃダメだよ!!」
俺は、武器屋へと足を進めた。
うーん、やっぱ説明なしだとプレイに支障がでる。スキルって人によってランダムなのか?とまぁ、こんな感じで疑問が増え続ける。
そうこうしつつ、武器屋に着いた。
「ここだね。マジでフィールドに出るつもりなの?」
「うん、そのつもりよ。」
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