故郷よさよなら

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このまま自分がここにいてもいいものかと 先程掲示板にて『闇化』についての記事が張り出されていた。 あの村を覆っていた闇は世界各地で観測されているらしく、累計で1万5千人の死者と5万6千人の避難者を出している。 闇化状態は約1週間続き、闇が消える頃には辺り一帯が"死の世界"と化す。 生きていたモノは闇に飲まれると異形となる 記事にはそう書かれていた。 「何考え込んでるの?」 クレイアが配給のシチューを二皿持って目の前にかがみこんでいた。 深く考え込みすぎて全く気づかなかった 「別に…何でもない。つまらないことさ」 クレイアから シチューを受け取った。 クレイアも隣に座ってシチューを食べ始めた。 「これからどうする?」 クレイアがシチューを食べ終え訪ねてきた。 「どうするって?」 「さっき、避難所に来てから私たちに出来ること考えよって言ったじゃない」 「あー、そうだったっけ。」 あまりのことだったので闇に飲まれた村の映像は鮮明に覚えているがそれ以外の記憶がすこし曖昧だった。 「親父が…まだ遠征中だったはず」 「レンゴおじさん?そっかじゃあ無事そうだね。」 知り合いの安否の情報が知れるということは安心する。確定ではないが。 「親父の遠征部隊帰ってきたら一緒に村まで言ってみよう」 「ええっ!?危険じゃないかなー…」 首を立てに振りそうもないクレイアに対しビシッと先程の記事が載っていた掲示板を指さす 「あそこにある記事によると1週間ほどであの闇は無くなるらしい。その代わり見たこともないような生き物だらけになるらしいが。」 「そ、それはそれでやっぱ危険なんじゃ」 「親父とも行くし何より俺は剣術。クレイアは弓術を特訓してきただろ?」
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