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「でも、発展って『あっち』は随分と発展してるのにね」
海を隔て、まるで別世界のような景色を見て二人は苦笑いを浮かべた。
「今日来てた中流階級の奴等が配ってたんだよ。これ応募しようぜ、アポロ!」
「ノヴァ何言って……僕達まだ子供だよ?」
「もう10歳じゃねぇか! で、俺は難しい字が苦手だからアポロに読んで貰おうと」
「えーっと……」
催促されるように指で合図され、グシャグシャの紙を丁寧に広げ皺を伸ばしてから目を通すと、震える指で一部を指した。
「ノヴァ! これ……!『冒険者となり任務を成功させた者は上流階級となる』って!」
そう発すると同時に二人はこぼれ落ちそうな程に目を広げ、勢いよく立ち上がると流木がゴロンと回転する。
熱が込もった砂浜の上を、何度も何度も大きく飛び跳ね回った。
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