1、命の宣告

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「ルシィ! 気分はどうだい?」 アルト兄様は僕の傍に腰を落とすと、 よしよしと頭を撫でてくれた。 「はい! 今日はいつもより調子がいいんですよ?」 アルトファルス兄様は僕の二番目の兄様で、 寄宿学校を出て三年。 亡くなったお父様に変わって、 忙しく飛び回っている長男、ハクハ兄様に変わって、 家を守ってくれていた。 「そうなのか? それにしては顔色があまり良くないが……。 薬はきちんと飲んだのか?」 そう眉間に皺を寄せて心配してくれたアルト兄様に、 僕はニッコリと微笑んで見せた。 「今、レミーさんが持ってきてくれるそうです。 さっき起きたばかりですから」 「そうか……」 すると、失礼するよ。と、 主治医のホファナー先生が入ってきた。
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