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彼女のベッドの隣のベビーベッドで
子どもが眠っていた。
「パパが帰ってきたよ。」
杏奈は子どもを抱き上げると洸一に渡した。
初めて抱く我が子は温かく、まだ首が
据わっておらずぐにゃりとした感触だった。
だが、彼はレースの疲労も飛ぶくらい
幸せな気持ちに包まれた。
「この子が生まれたとき、月の光がとても
きれいだったの。それだけを覚えてる。」
「名前は?」
「まだ。こーちゃんが帰ってくるのを
待ってた。」
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