君と僕

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困ったなぁ。そう思いキールに相談しようとするも彼は既にログアウトしていた。 その間にもギルドチャットは盛り上がっている。 本当はコンプレックスもあり他人に素顔を見せたくはないのだが 一度合うだけだしネットとはいえよく知り合った仲だからと了承したのだった。 そしてオフ会当日。寒くなり始めてきた時期ということもあり少しあったかい格好で出掛けた。 指定されたカラオケの前へ行き自分の服装を写真で撮ってLIMEのグループチャットに載せた。 ヤマ酒さんが既に来ていたらしく気づいて手を振ってくれた。 想像してたよりも年上。30代後半くらいだった。 あまりお洒落してきた様子はなく普段着のようだった。 確かに一日カラオケにこもると言っていたからあまり気をつけてくる必要もなかったのだろうか。 アイスさんもxiaさんも数分後に到着しカラオケオフ会が始まった。 「あ、ヤマ酒です。よろしく~」 「アイスさんでーす、サラリーマンしてます!」 アイスさんは暗い茶色髪を染めていて、ピアスをしている。とても社会人には見えない 「xiaです。大学生してます。」 xiaさんはタートルネックのセーターを着て、想像通りクールな感じの人だった。 「えるです。一応高校生です。学校行ってないですけど」 運ばれてきたジュースやらアルコールを各々持ち自己紹介の後乾杯をした。 アイス「いやー、えるさん女の子と思ってたら男の子だったんだねー」 ヤマ酒「でもそれ地毛?ハーフなの?女の子みたいだぁ」 xia「酔っ払い二人は早く歌でもいれてください。」 ……… まあ知り合ったのがネットなだけあってボカロとかアニソンばかりが予約一覧に埋まる。 僕も知っている曲を少なめの頻度で入れながら歌った。 夕方の6時になるとフリータイム客は出なきゃいけないので僕らは夕飯のあとお開きしようということでファストフード店で談笑し、8時くらいに分かれた。 帰り道が一緒ということでヤマ酒さんと同じ電車に乗り高校生だし家まで送ると言われたので最初は遠慮したものの結局一緒に帰ることになった。
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