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「いくよ。」
コヨミの合図と共に俺たちは施設の中に忍び込んだ。
俺たちは施設の核と言える場所に迷いなく進む。
パスワードは全て知っている。
監視カメラの位置も把握している。
目的の場所にたどり着くと、俺は守護聖獣を呼び出す。
ドカーンッ!!
次の瞬間、その部屋を中心に現れた黒翼のドラゴンが施設を破壊する。
ドラゴンはとてつもなく大きく、その大きさは頭から尻尾まで100mほどもあり、その場に現れただけで凄まじい破壊力があった。
ドラゴンか出現しただけで施設は壊滅。
俺とコヨミはドラゴンの背に乗る。
「行くよ、準備はいい?」
「いつでも大丈夫だ。」
コヨミの横にフェニックスが現れ、次の瞬間には凄まじい光に包まれる。
それはほんの一瞬の出来事だった。
気がつけば、俺たちは懐かしい景色の中にいた。
「確かに、帰ってきたようだな。」
辺りを見渡すと、遠くに城が見えた。
あそこに王はいる。
「このまま夜が明ける前に行きたいところだけど、それは難しいと思う。」
コヨミの言葉と共にフェニックスが消える。
セスのドラゴンは夜のうちは目立たないが、あまりにも大きいので一旦消えてもらう。
「取り敢えず、城の近くまで行こう。
夜のうちに近くまで行かないと、俺の翼でバレてしまう。
いや、待てよ?
そう言えば、お前はどうやって翼をしまったんだ?
俺の目には施設で働いていた頃のお前はどこからどう見ても人間だった。」
「それは……」
コヨミが一瞬言葉を詰まらせる。
「いいわ、教えてあげる。
フェニックスの能力の1つだから。
不死鳥フェニックスと言われるだけあって、たとえ翼を失っても再生することが出来る。
もちろん、好きなタイミングで。
これも、私が監視役に選ばれた理由の1つ。」
「なんだ、俺には無理か……」
もし自分にも使える方法なら、黒翼を隠せるかもしれないと思ったんだが……
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