黒翼の罪

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「いいだろう。 どの道俺の記憶を取り戻すには王を倒さなければならない。 お前の話も、つじつまは合う。 王は俺の機嫌をとり予言を防ごうとしたが、やはり恐ろしくなって遠ざけたのだろうな。」 セスは出口へと歩みだす。 「未来が見えているのなら心配は無いだろう。 俺は今から王を倒しに行く。」 コヨミは心の中で思う。 未来は変わり続ける。 かつて見た未来が、次に見た時に同じ未来とは限らない。 特に私が関われば、それは大きく変わる事もある。 過去や未来に渡って干渉する事は禁忌でも、現在から干渉はできる。 私の干渉は未来を知るがゆえに未来を変える。 さあ、あなたの時代はもうすぐそこだ。 「行くぞ!」 外からセスの声が聞こえ、コヨミはセスの方へと向かう。 朝日が差し始めた町の上空に飛び上がり、セスと合流する。 次の瞬間、上空に黒翼のドラゴンが現れた。 セスは素早くドラゴンに乗る。 「お前も乗れ。」 コヨミが乗るなり、ドラゴンは勢いよく城へと向かった。 ものすごい速さで空を駆け抜ける。 ドーーン!! 轟音と共に城の中庭に着陸する。 「ちょっと、もっとマシに着地できないのか!」 コヨミが文句を言うのを無視して、セスはドラゴンの背から飛び降りる。 「置いてくぞ。」
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