黒翼の罪

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王の一言で、どこに隠れていたのか、10名程の騎士がセスとコヨミを取り囲んだ。 恐ろしい事に、それぞれの守護聖獣はどれもSランクだ。 「おいコヨミ、未来が見えるなら教えろ。」 「私が未来を見れば見るほど、そして教えれ教えるほど未来は変わってしまう。 自分を信じろ。」 「ちっ、使えねぇな。」 「お喋りはそこまでだ!」 一斉に騎士が襲いかかってくる。 ケルベロス、ヒュドラ、ワイバーン、ユニコーン、ペガサス、キマイラ、グリフォン、ヒッポグリフ、ミノタウロス、サラマンダー。 どれも名の知れた守護聖獣だ。 「コヨミ、お前は下がってろ!」 セスはそう叫ぶと剣を構えた。 ドラゴンもセスの横につく。 「お前は力を存分に振るってくれ。」 ドラゴンはそれに応えるかのように咆哮を上げた。 「行くぞ!」 セスの声と同時にドラゴンの灼熱の炎が放たれる。 サラマンダー以外は炎のダメージをもろに受けた。 そこにセスの剣で切り込み、翼人を切っていく。 ところが、振り返ると守護聖獣達は回復しており、一斉攻撃を仕掛けてきた。 「なんだと?」 セスは素早く飛び上がるが、飛べる守護聖獣の攻撃は受けてしまった。 「くそっ!」 それと同時にドラゴンの炎が守護聖獣達を包み込む。 その瞬間、気がついた。 唯一炎の攻撃が効かないサラマンダーがユニコーンを庇っている。 そして次の瞬間、ユニコーンは治癒魔法を使った。 「ユニコーンを狙え!!」 セスはドラゴンに向かってそう叫んだ。 「俺はサラマンダーを始末する。」 ところが…… 「俺たちを忘れてもらっちゃ困るな。」 背後に騎士が迫っていた。 翼を切られれば終わりだ。 セスは素早く避けて、ドラゴンの方へ向かった。
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