花色の君へ「中編」

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花色の君へ「中編」

その日、俺はいつものようにフラワーガーデンに車椅子を進めていた いつものように誰もいなくて真ん中にある桜の木をボーッと見つめていた するとその桜の木から1人の女の子が出てきた 高校生の服を着ていて髪はロングでとても可愛らしい女の子だった そしてその女の子は俺に近寄ってきて言った 「こんにちは!私、花の妖精なんだ。って冗談だよ!実は……私ね、自分の未来や他人の未来が見えるんだ」 「は?」 最初は全く信じてなかった その子はいかにもただの高校生 変わったところもない その日はそんな話で終わったけどその子は毎日来るようになっていつからか毎日話していた そして、その子と出会ってはや、10ヶ月が経とうとしていた 今日は何を話せばいいのか分からなくて、おれはふと、こう切り出した 「そういえば初めてあった日に言ってた未来や過去が見えるってなに?」 女の子はキョトンっとした顔をした 「めっちゃ、直球だね……アハハ……まぁ、その話はいずれ私が君に伝えるから」 そう彼女は言った でも、俺はそういう彼女になぜか口走っていた 「無理だよ、俺もう長くないから、生きたって無駄だし、どうせすぐ死ぬし」 すると彼女は真顔で首を傾げてこう言った 「死なないよ?」 そう言う彼女にイラッとして怒鳴ってしまった 「お前は死なないってゆうけど死ぬんだよ!俺の身体に合うドナーが見つかって俺が生き残るってゆうのかよ!そんなのあるわけない、俺はもう死ぬんだよ!」 すると彼女は寂しそうな顔でこう言った 「ねぇ、君は死にたいの?君が死にたいのなら私は君と一緒に死ぬことが出来るよ。でも、私は君に生きてほしい。私と一緒に生きてほしい。」 その言葉を聞いてなぜかとても嬉しくてもの凄く真っ赤になってしまった 彼女といる時間はとても楽しくてつまらない人生に少し蕾が実ったような気がした そして次の日 今日は俺の最初で最後になるかもしれない日 今日は俺の手術の日だ この手術で助かる確率はとても低い もう光を見ることも出来なくなるかもしれない でも昨日彼女が言ってくれた 「君は必ず助かる」 その言葉今なら信じていいよな 俺の身体に麻酔が入れられた そして俺は呟いた 「絶対に待ってろよ」
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