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「スゴい!もう描いちゃったの?」
私が描いた絵を感心したように知里ちゃんが眺める。
「大体はね。ごめん、水性ペンあるかな?」
私が頼むと、堀さんが机の上に置いてあった筆箱から水性ペンを出してくれた。
「ありがとうございます」
私はシャープペンで描いた絵を水性ペンでなぞる。
「佐々木さん、超上手だね!岸ちゃんが紙の上で踊ってる!」
出来上がった絵を見て、橘さんが喜んでくれた。
「佐々木さん、ありがとう」
堀さんからお礼を言われた。
「私の絵が役に立ててのなら、嬉しいです……!」
お礼を言われ、私は嬉しくなった。だけど、あることに気付いた。
「あ、でもこの絵は反転で描いた方がいいのかな?」
「どういうこと?」
知里ちゃんに聞かれた。
「ほら、鏡に映ったように描いた方がプリントを見た人は分かりやすいかなぁと思って」
「あぁ、そうだね!」
知里ちゃんやダンス部のメンバー全員がうなずく。
「あ、やっぱり反転でも分かりづらいかもしれないなぁ。……ダンス部のTシャツを着た後ろ姿で踊ってる絵が1番分かりやすいかも」
私がそう言うと、少しの間沈黙が続いた。
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