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どれだけ美味しいものを食べても満たされない。
数多の高級店で料理を食べても美味しいとは思えど、その料理の限界が見えてしまう。
思ったのだ。
天にも昇る味や極上の味、この世で一番美味しいものなんてものは存在しないのかもしれない。
人の想像力が極上の美味を生み出すのだ。
これ、美味しそう。こんな具材を使ってこんな人が調理してこんなに盛り付けも綺麗。
色んな情報が想像を膨らませ、脳内で極上の味に変換されるのだ。
だからその想像を超えなければ実際に料理を食べても満たされないのだ。
僕は数多の高級店で料理を食べてきた。
舌は肥えている。
料理人でもある。
だから。
どんな料理を食べても美味しさの理由にたどり着けてしまう。
出された品がどんな工程を経て美味となったのか理解できてしまうのだ。
もはや地球上に僕の想像を超える様な料理はないのかもしれないな。
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