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いきなり唇が開放されて、
知らず上がった声がまるで自分のものではないようで。
思わず手の甲で口を覆った。
「……感じます?」
「――ッア」
離された唇が、
今度は胸に落とされて。
固くしこってきたそこに歯を立てられる。
下肢の間に蟠ってくる熱に気がついて狼狽した。
……それに気づいたのだろう。
彼が微かに笑っ た気配に、
かっと顔が熱くなる。
嫌悪を感じてもいいはずだった……同性に組み敷かれて、
いいように嬲られて。
彼の指や唇が引き起こすものは、
悪寒であっていいはずだった。
――なのに、
身体に満ちてくるのは、
確かな熱。
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