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他人が自分の部屋の中に居ると言うのに、
少しも気にならないのはどうしてだろう。
キッチンから聞こえてくる音、
青羽の気配は、
むしろ心地よかった。
小一時間で出来上がった料理を、
彼がリビングのテーブルの上に並べ始める。
冷たい茶碗蒸しにおひたし、
焼き魚と次々に出てくる料理は、
とても素人の料理とは思えない出来栄えだ。
甘味のデザートもあると言われて、
じつは甘党の俺は嬉しくなった。
「本当になんでも出来るんだな」
思わず言うと、
彼がはにかんだ笑みを返した。
「君は飲まないのか?」
二本目の缶を手にして、
ふと彼の前にあるお茶に気づいて聞く。
「あ、
すいません。
荷物運ぶのにバイクで来ちゃいましたから……」
そう言う彼の目の前に、
とんとビールの缶を置いた。
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