第3章

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他人が自分の部屋の中に居ると言うのに、 少しも気にならないのはどうしてだろう。 キッチンから聞こえてくる音、 青羽の気配は、 むしろ心地よかった。 小一時間で出来上がった料理を、 彼がリビングのテーブルの上に並べ始める。 冷たい茶碗蒸しにおひたし、 焼き魚と次々に出てくる料理は、 とても素人の料理とは思えない出来栄えだ。 甘味のデザートもあると言われて、 じつは甘党の俺は嬉しくなった。 「本当になんでも出来るんだな」 思わず言うと、 彼がはにかんだ笑みを返した。 「君は飲まないのか?」 二本目の缶を手にして、 ふと彼の前にあるお茶に気づいて聞く。 「あ、 すいません。 荷物運ぶのにバイクで来ちゃいましたから……」 そう言う彼の目の前に、 とんとビールの缶を置いた。
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