5人が本棚に入れています
本棚に追加
え?と戸惑う声を上げる青羽に、
泊まって行くといいと告げる。
「俺も明日は非番だし」
彼さえよければ、
ゆっくりと一緒に飲んで話をしたかった。
「お休みだったら……奥さんとか、
会いに来ないの?」
その言葉に、
青羽を見返す。
「えと、
ほら、
奥さんが来た時に、
俺が家の中で鼾をかいてたら、
びっくりするでしょう?」
「君は鼾をかくのか?」
求められたものとは違う答えを、
わざと返す。
「かきませんよ!や、
そーじゃなくって……」
唇を尖らせた青羽が、
も、
いーです、
と呟いて。
半ばヤケクソのように缶ビールのプルタブを引き開ける。
子供のようなその仕草に笑い出しそうになるのを堪えた。
最初のコメントを投稿しよう!