第3章

6/17
前へ
/17ページ
次へ
そういう自分も、 少し酔いが回ってきたなと感じた。 そろそろウーロン茶か何かにした方がいいかもしれない。 「あ、 と」 食事を終えて。 テーブルの上に出していた乾きモノのおつまみの皿を、 青羽の指が引っ掛けた。 ばらりとナッツがテーブルに零れる。 「スミマセン」 「酔ったのか?」 手を伸ばしてくる彼を制して、 零れたつまみをゴミ箱に放り込んだ。 「少し横になるといい」 言いながら空になったビールの缶を寄せる。 ふっと視線を感じて顔を上げると、 黒い瞳が見つめていた。 その視線が……まるで身体の上を這うようで。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加