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だからって慌てて取りに行ったら疑われる!
いや、別れるつもりだからいいんだ!いや、そもそも付き合ってないし。
と、とにかく高広のところへ!
って車にいない?
やだ、どこ?
なんでここにいるの?今頃、恵比寿でバーテンダーやってるはずなのに!
とにかく姿探さないと!
しばらくすると向こうから一組のカップルが歩いてきた。
あたしはアパートの塀に身を隠した。
え・・・・。
高広と隣を歩いているのは高校のときの同級生の真理だった。
え?どういうこと?高広って真理と付き合ってるの?
そういえば、彼女がいるってことしか知らなかった。名前とか、どの辺に住んでいるとか高広聞いても答えないし。
あたしが知ってる人だったから答えなかったの?
あたしは塀の影にしゃがみ込んで複雑な気持ちでジッとしていた。
「で、高広の話ってなに?今日は恵比寿のバイト先に連れて行ってくれるんでしょ?早く行こうよ。」
真理の高い声が近づいてくる。
高校の時の声そのままだ。
「いや、今日は連れていけない。」
「え?どういうこと?」
え?どういうこと?まさか?
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