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大輝を起こさないように家を出て恵比寿に向かった。
お気に入りのワンピース着てきちゃった。
びっくりするかな。
一回連れて行ってもらっておいてよかった。
1時間ほどで高広のバイト先が入ってるビルの前に着いた。
~♪~♪
カバンの中の携帯が鳴った。
うそ、大輝・・・。
起きちゃったんだ。
でもここまできちゃったし。帰れない。
そうだ。高広・・・いないかもしれない。
うちのアパートきたの19時くらいだったから今日休んだのかも。
あのあと真理とモメテルとか。
電話してから行こうかな。
いや、でもびっくりさせたいし。
覗くだけ・・・。
あたしは店のドアを開けた。
「やだー、高広くんたら。」
黄色いキャピキャピした高い声が聞こえてきた。
カウンターの奥で二人の若い女が高広と嬉しそうに話している。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
「あ、あの一人なんですけどあそこのテーブルいいですか?」
あたしは入ってすぐ声をかけてきたボーイに小声で言った。
「は、はぁ。どうぞ。」
あたしはカウンターから少し影になるテーブルに隠れた。
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