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「け、結構、降ってきたね。」
「あ、ああ。」
・・・・・・・。
高広は車のエンジンをかけた。
あたしと高広は付き合っていない。
たまにこうやって二人でどこかに出かけたりするけどお互いに恋人がいるし、お互い何も言わない。
でもあたしはずっと
高広が好きだった。
でも高広は何も言ってくれない。
あたしもこの関係を崩したくなくて何も言えないでいた。
車は高広のマンションの駐車場に入った。
「え?なんで?」
「面白いDVDがあるから一緒にみよっ!」
「・・・・・・・」
お互い恋人がいるのに
ダメだってわかっているのに・・・・。
あたしは高広の少し後ろを歩いて高広の部屋に向かっていた。
「風呂・・・入る?」
「あ・・・でも彼女がきたらヤバイから・・・あたし、やっぱり帰るよ。」
玄関に引き返そうと後ろを振り返ると
ガシッ
高広に手首を掴まれた。
高広の真剣な顔。
だめ。
これ以上近づいたら
あたし、きっと
戻れなくなる。
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