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「はぁ、はぁ、メグちゃんとこんなことしてるなんて・・・」
「あ、萩原くん、待って。どっか屋根がある所行こう。こんなとこ服が汚れちゃう。あぁ。」
萩原くんはもう止まらない。
どうしよう。
「メグちゃん、後ろに手をついて・・・」
「あ、ちょっと・・・待って・・・」
萩原くんはあたしの腰をもって体を壁に後ろに向けた。
「ああぁ!」
雨の音であたしの声はかき消された。
この手をついてるコンクリートの向こう側で大輝があの子と楽しんでいる。
「大輝のばか・・・」
こんなところで
こんなことをしてるあたしを見たら
大輝はなんて言う?
ずぶ濡れでこんな格好してるあたしを叩くかな。
感じながらも店のドアに目を向けると
大輝が慌てて出てきた。
「大輝!」
ずぶ濡れになって辺りを探している。
あたしを?
探している?
なんて表情してるの?
なんて淋しい表情してるのよ。
あたしがいなくて今頃心配しても遅いんだから!
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