終章  

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そういえば以前、イブが 「風の精霊さんがリンゴ狩りを手伝ってくれたんだよ!」 と嬉々として話していたことがあったが、こういう理由だったのか、と、チェルシーは納得する。 「無邪気なのか生意気なのか分からんな、あいつは」 イブから散々悪口を言われてきたシダーだったが、本人が全く気にしていない様子なのを見て、チェルシーは安堵する。 「ごめんね、本当は良い子なんだよ?」 すかさずフォローすると、シダーは素っ気なくうなずいた。 「案ずるな、承知している」 「ありがと」 元は自分の身体の一部だっただけに、チェルシーは歯痒い気持ちになる。 チェルシー自身は覚えていないが、それはヒューゴから聞いた話だ。 詳しくは覚えていなかったし、誰に尋ねても、詳しい話ははぐらかされてしまったが。 ひとつだけ、分かったことと言えば、使えていたはずのオータムリーフの魔法が、一切発動しなくなってしまったということ。
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